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養蜂用語辞典

topページ > みつばち図書館 > 養蜂用語辞典
 

養蜂には、専門用語がたくさんあります。

アメリカ腐蛆病(あめりかふそびょう)american foul brood
最も恐ろしいミツバチの病気。最初にアメリカで発見されたため、この名前である。
Paenibacillus larvaeという細菌に感染することで発病し、幼虫がドロドロに溶けて死ぬ。
このドロドロに溶けた死骸を、働き蜂が掃除しようとして病原菌が体に付き、巣内に広まって
しまう。また、ドロドロのため、結局掃除できないまま死骸が残り菌が繁殖する。
家畜伝染病に指定されている病気であり、感染した蜂群は、巣箱ごと焼却するのが一般的な
対処法である。

アカシア acacia
主要蜜源植物の一つ。
正式名は「ニセアカシア」、和名は「ハリエンジュ」で、幹にトゲがあるのが特徴である。

育児温度(いくじおんど)nurse optimum temperature
ミツバチの幼虫を育てるのに適した、巣内温度(35℃)

育児蜂(いくじばち)nurse bee
幼虫の世話をする、出房後3〜15日の若いみつばち。

育虫室(いくちゅうしつ)brood chamber
巣箱の一段目は主に育児で使うため、育虫室とよぶ。

一代交配法(いちだいこうはいほう)first filial generation
2つの系統の女王蜂と雄蜂に、何代にもわたって近親交配をすることで純系を作り、この純系
同士をかけ合せることで一代交配種を作り出す方法。

移虫針(いちゅうばり)grafting tool
女王蜂を人工育成するときに、幼虫を巣房から人工王台に移虫するために使う道具。

咽頭腺(いんとうせん)pharyngeal glands
みつばちのアゴにある分泌腺。
若い育児蜂の発達した咽頭腺からローヤルゼリーが分泌され、孵化後3日目までの幼虫や、
女王蜂にエサとして与えられる。

インべルターゼ invertase
花蜜の糖分は、ブドウ糖と果糖がくっついたショ糖という二糖類である。
ショ糖を分解して、はちみつの糖分(単糖類のブドウ糖と果糖)にするための転化酵素のこと。

ウラ年(うらどし)
アカシア、ミカン、トチ、クリなどの木本植物の流蜜には、オモテとウラがある。
オモテは流蜜が多い年で、ウラは少ない年。
たいてい一年おきに、オモテとウラがくるが、中にはケンポナシやセンノキなど、数年に一度
しかオモテがこない木本植物もある。

超夏(えっか)oversummer
貯蜜の枯渇期をむかえる、8月以降の厳しい夏を越すこと。

超冬(えっとう)overwinter
冬を越すこと。

王台(おうだい)queen cell
女王蜂が育てられる特別な部屋。小指大の南京豆のような形である。
王台には巣の状況により、分蜂王台、変成王台、換王王台の3種類がある。

王籠(おうかご)queen cage
女王蜂を隔離するカゴ。他群への移入の際に使用する。

王乳(おうにゅう)royal jelly
ローヤルゼリー参照。

雄蜂(おばち)drone
みつばちの雄。
生物学上では珍しく未受精卵から生まれる。(受精卵から生まれるみつばちはメス)
体は、女王蜂と働き蜂の中間くらいの大きさで、目が大きいのが特徴。
雄蜂の仕事は交尾をすることだけで、他には何もしない。
エサが乏しくなると、働きバチに巣を追い出されて死ぬ。

働蜂駆殺器(おばちくさつき)drone trap
別名「自動分蜂器」で、巣門に取り付けて使う。
体の小さな働き蜂は通れても、体の大きな雄蜂は通れない幅の格子がほどこしてある道具。
この上部にあるワナに雄蜂が入り込むと出られなくなり、餓死する仕組みになっている。
雄蜂は交尾以外は何も仕事をしないため、無蜜期になると働き蜂に巣から追い出されて死んで
しまう。しかし、それまでエサが無駄になるため、人為的に駆除する道具である。

雄蜂房(おばちぼう)drone combs
雄蜂の幼虫が育てられる巣房のこと。
働蜂房よりも大きい。
また、封蓋されると働蜂房のフタは平らなのに対して、雄蜂房のフタは外に突き出していると
いう特徴がある。

外役蜂(がいえきばち)field bees
巣の外に出て、主に花蜜や花粉を集めてくる日齢20日以降のベテランの働き蜂。
採集蜂(さいしゅうばち forager)ともいう。

隔王板(かくおうばん)queen excluder
体の小さい働き蜂は通れてるが、体の大きな女王蜂は通れない幅の格子がほどこしてある板。
女王蜂を巣箱の一段目に隔離して、継箱に上がるのを防ぐために使用する。

隔王籠(かくおうかご)queen cage
王籠と同意。王籠を参照

花粉採集器(かふんさいしゅうき)pollen trap
働き蜂が、ぎりぎり通れる位の穴があいている道具。
花粉を集めてきた働き蜂が、穴を通るときに花粉がかき落とされる仕組みになっている。
巣門に取り付けて使う。

花蜜採集蜂(かみつさいしゅうばち)
主に花蜜を集めてくる外役蜂。

空巣脾(からすひ)
貯蜜、花粉、卵、幼虫、さなぎが入っていない空の巣脾。

換王王台(かんおうおうだい)
女王蜂が年老いて産卵力が低下してくると、働きバチが新女王蜂を欲求して作る王台。
旧女王蜂はこの王台に産卵し、新女王蜂が生まれると巣から出て行き、その生涯を終える。

甘露蜜(かんろみつ)honeydew
カイガラムシが樹液を吸い、お尻から出した甘露をみつばちが集めてハチミツにしたもの。
花の蜜ではなく、ブナ、モミ、マツなどの樹液が原料で、森のはちみつといわれる。

記憶飛行(きおくひこう)play flight
みつばちが成虫になって一週間経った頃、自分の巣の位置を覚えるために行う数分間の飛行。
はじめに巣門に頭を向けてゆっくり低空飛行をし、巣を中心に円を描くように高く飛んで巣の
位置を覚える。時騒ぎともいう。

疑似女王蜂フェロモン
人工的に作った女王蜂のフェロモン。
ポリネーション時に、無王群の働きバチを安定させるために使う。

給餌器(きゅうじき)feeder
みつばちのエサになる砂糖水を入れる箱。木製で、薄い板状の形になっている。

燻煙器(くんえんき)smoker
みつばちを大人しくさせるために煙をかける道具。中にボロ布、新聞紙を入れて着火し、
ふいご(空気を送り込む器具)をふかすと煙がでる。

群殖(ぐんしょく)increase
蜂群(女王蜂一匹+数万匹の働き蜂+少数の雄蜂のみつばちファミリー)を増やすこと。

健勢(けんせい)building up
女王蜂が産卵し、みつばちの個体数を増やすこと。

下痢病(げりびょう)dysentery
巣箱内の湿気や不良餌料が原因で、みつばちが下痢を起こすこと。

合同(ごうどう)Uniting
蜂群同士を、一つの巣箱で合同すること。
数が少ない弱群同士や、無王群を有王軍に合同するなど。

交尾群(こうびぐん)nucleus
女王蜂を人工養成するときに、出房した女王蜂が交尾に成功するまで預ける蜂群のこと。

交尾箱(こうびばこ)mating hive
出房した女王蜂が、交尾に成功するまで交尾群と過ごす小型の巣箱。

交尾飛行(こうびひこう)mating flight
王台から出房した女王蜂は、約一週間後の晴れた日を選び、交尾をするために空を飛ぶ。
女王蜂の交尾は必ず空中で行われるため、交尾飛行とよばれる。

交尾標識(こうびひょうしき)mating sign
女王蜂のおしりに出たヒモのようなもの。交尾に成功した印となる。

交了王(こうりょうおう)fertile queen
交尾に成功した女王蜂のこと。

採集蜂(さいしゅうばち)forager
外役蜂(がいえきほう)を参照。

採乳(さいにゅう)
王台に溜められたローヤルゼリー(王乳)を採取すること。

採蜜(さいみつ)extract honey
みつばちが花蜜を採取すること。
または、貯蜜巣脾のはちみつを回収すること。

サックブルード病 sac brood
有蓋蜂児が腐蛆となり、カチカチに固まって死ぬウィルス病。
袋に入ったような形で死ぬことから、サック(袋)ブルード(蜂児)とよばれる。

産卵圏(さんらんけん)
女王蜂が産卵した巣脾のエリア。
女王蜂は、巣箱の真ん中にある巣脾の中心から渦を描くように産卵していくため、楕円形の
産卵圏ができる。

三角ゴマ(さんかくごま)
巣枠の上桟に付けて、巣枠の間隔を一定に保つ役割があるコマ。

自距金具(じきょかなぐ)metal end
巣枠の上桟と横桟を固定する金具。
巣枠を補強し、巣枠と巣枠の間に1pの隙間(野生のみつばちと同じ状態)を作る役割をもつ。

自動分蜂器(じどうぶんぽうき)queen bee trap
体の小さな働き蜂は通れても、体の大きな女王蜂は通れない幅の格子が付いている装置で、
巣門に取り付けて使う。
分蜂群が外へ飛び出しても、女王蜂はこの装置を通過できないために外へ出られない。
次に、元の巣があった場所へ新しい巣箱を用意し、女王蜂の入った自動分蜂器を取り付ける。
すると女王蜂がいないと気付いた分蜂群は、この巣箱へ戻ってくるので簡単に収容できる。

シャブ蜜(しゃぶみつ)
水分含有量が高く、完熟していないハチミツのこと。

出房(しゅつぼう)to emerge of brood
フタをされた巣房から、成虫になったミツバチが出てくること。
また、王台から女王蜂が出てくること。

種母群(しゅぼぐん)
女王蜂を養成するときに、幼虫を提供する蜂群のこと。
優秀な女王蜂を得るために、採蜜量が多く性格も穏やかな蜂群を種母群に選ぶ。

女王蜂(じょうおうばち)queen bee
巣に一匹だけの存在。働き蜂よりも一回り体が大きく、寿命も長い(5年前後)
エサは若い働き蜂から与えられるローヤルゼリーのみ。
女王蜂の仕事は専ら産卵をすることで、多い日は一日2000個の産卵をする。

女王蜂の更新(じょうおうばちのこうしん)requeening
女王蜂の産卵力が落ちてきたら、養成した新女王蜂を誘入して更新する。
また、欠陥のある不具王の場合も同様に更新する。

蒸殺(じょうさつ)
巣箱内の温度があがり、みつばちが蒸れて死ぬこと。
例えば、気温が高い日に、巣箱を移動させようと巣門を閉じたとする。
すると、みつばちが焦って騒ぐため、巣内温度がさらに高まり、蒸れて死んでしまう現象。

奨励給餌(しょうれいきゅうじ)feeding ,stimulaive
早春や初秋の花蜜が少ない時期に、特に女王蜂の産卵を促して産卵圏を拡大する目的の給餌。

初回蜜(しょかいみつ)
その年、最初の蜜のこと。
前年から巣房に残ったはちみつや、給餌した糖液などが混じるため、これらも一緒に回収する
ことから掃除蜜ともよばれる。
このような低品質の蜜が混ざるため、初回蜜は回収せずに、みつばちの給餌用にするのが普通。

人工王台(じんこうおうだい)
女王蜂を大量に人工育成する場合や、ローヤルゼリーの大量生産を試みるときに、みつばちの
習性を利用して作らせる王台。
王椀というカップに、日齢2日以内の幼虫を移虫したものを複数用意し、巣枠にセットする。
それを無王群に入れると、働き蜂が王台を作成し、ローヤルゼリーを溜める。

人工分蜂(じんこうぶんぽう)swarm,artificial
あらかじめ目的の数の女王蜂を養成し、蜂群を分割してこれらに誘入する。
人工的に分蜂させて群殖を図る方法。

垂直隔王板(すいちょくかくおうばん)
体の小さい働き蜂は通れても、体の大きな女王蜂は通れない幅の格子が付いている板。
巣枠のように垂直に入れるタイプの隔王板で、女王蜂を巣箱のある場所に隔離するための道具。

巣箱(すばこ)hive
みつばちの巣になる箱。中に巣脾が8枚入るものを8枚箱、10枚入るものを10枚箱という。
主に一段目の巣箱は、産卵育児に使うため、育児箱とよぶ。
巣箱のスペースを広げるため、上に同形の箱を継ぎ足す。この箱を「継箱」という。

巣礎(すそ)comb foundation
ミツロウでできており、ハニカム構造が刻印されている板。
西洋ミツバチの巣の土台になる板で、巣枠にはめて使う。これを使うことでより正確に素早く
造巣ができる。

巣枠(すわく)frame
巣礎をはめて固定するための木の枠。巣礎をはめたものを巣礎枠(すそわく)という。

巣脾(すひ)comb
巣礎枠に、ミツバチが巣を盛ったもの。
はちみつや花粉を溜めたり、産卵、育児ができる、いわゆるミツバチの巣である。

巣房(すぼう)cell
六角形の巣穴のこと。はちみつや花粉を溜めたり、幼虫を育てる。

巣蜜(すみつ)comb honey
巣に入ったまま販売されるはちみつ。
巣蜜が、はちみつに入っているものをChunk honeyという。

巣虫(すむし)wax moth larva
ハチノスツヅリガという蛾の幼虫。夏前に多くなる。
この虫がみつばちの巣に寄生すると、巣脾を食い破り荒らすため、みつばちの逃去を引き起こす
原因となる。巣虫の予防法は、蜂群を強盛にして巣虫の侵入を防ぐことである。

巣門(すもん)entrance
巣箱の出入り口。

製蝋器(せいろうき)wax extractor
蜜蓋やムダ巣を精製し、純粋な蜜蝋(みつろう)を作る道具。

剪翅(せんし)queen clipping
交尾済みの女王蜂が飛んで逃げないように、片方の羽を半分切ること。

選択育種法(せんたくいくしゅほう)selective breeding
多数の個体から最も優秀なものを選び交配させる。その子孫も同じように選択交配を重ねて、
最後に最も優秀な系統を固定する方法。

造巣(ぞうす)
みつばちが巣をつくること。

掃除蜜(そうじみつ)
初回蜜を参照。

掃除蜂(そうじばち)cleaning bee
巣の清掃をする、羽化後3日位までの働き蜂。

代用花粉(だいようかふん)pollen substitute
タンパク源である花粉が少ない時期に、代用として与えられるみつばちのエサ。
乾燥した天然花粉や、乾燥ビール酵母が材料である。

脱糞飛行(だっぷんひこう)cleaning flight
フンをするための飛行。
健康なみつばちは巣の中ではフンをせず、必ず外へ飛んでフンをする。

脱蜂板(だっぽうばん)escape board
働き蜂がいったん通過すると、反対側からは戻ってこられない構造の器具が中心に取り付けら
れた板。継箱から貯蜜枠を回収するときに使う。
育虫室と継箱の間にこの脱蜂板を入れると、継箱内のみつばちが無王状態になったとあわてて
育児室に向かうが、脱蜂板を通ると継箱には戻ってこられない。
しばらくすると、継箱にみつばちがいなくなるので、容易に貯蜜枠を回収することができる。

ダニ病(だにびょう)acarine disease
イギリスのワイト島で発見されたことから、別名ワイト島病ともいう。
ミツバチダニというダニの一種が、みつばちの第一気門に寄生して起こる病気。
みつばちは、呼吸困難を起こして、徐々に弱って死んでしまう。

種蜂(たねばち)
養蜂を始めるときに最初に飼う蜂群。これをもとに蜂群を増やしていく。

単花蜜(たんかみつ)monofloral honey
主に一種類の花蜜から作られたはちみつ。
みつばちの「訪花の一定性」という習性を利用して、ほぼ一種類の花蜜で作られたはちみつ。

チョーク病(ちょーくびょう)chalk brood
幼虫がチョークのような状態で死んでしまう病気。カビの一種が原因で起こる。

貯蜜圏(ちょみつけん)
はちみつが溜められる巣脾のエリア。

継箱(つぎばこ)super
巣箱と同形で、底がない箱。巣箱の上に重ねて継ぎ足すことで、巣のスペースを広げることが
できる。

定置養蜂(ていちようほう)
一カ所で巣箱を動かさずに行う養蜂。

転地養蜂(てんちようほう)migratory beekeeping
南から北へ、開花を追いかけながら場所を変えて行う養蜂。

偵察蜂(ていさつほばち)scout bees
分蜂が起こる前に、あたらしい居住地候補をさがす働き蜂のこと。
候補地が見つかると、その場所を8の字ダンスで仲間に知らせる。
偵察蜂が増えてくると、いよいよ分蜂の時期が近くなる。

逃去(とうきょ)absconding swarm
蜂群が巣を捨てて逃げること。
現在の巣では生活することできない、と判断すると逃去する。
原因として、貯蜜不足、夏の炎熱、巣虫の繁殖、盗蜂の襲撃があげられる。

糖度(とうど)sugar content
はちみつに含まれる糖分の度合。
公正取引規約では、国産はちみつの糖度は75.5%以上(海外産は77.4%)とされている。
花蜜の糖度がおよそ40%のため、はちみつになる過程で約2倍に濃縮されたことになる。

働蜂産卵(どうほうさんらん)laying worker
巣に産卵や幼虫がいない状態で、女王蜂不在の状態が続くと、働き蜂の毒針が産卵管に変化して
産卵を始めること。働き蜂は交尾をしていないので生まれてくるのは全て雄蜂。

働蜂房(どうほうぼう)worker comb
働きバチの幼虫を育てるための巣穴。貯蜜にも使われる。

盗蜂(とうほう)robbing
花蜜が乏しくなる頃、ミツバチが、よその巣にはちみつを盗みに行く現象。
弱群が強群に狙われると、はちみつを取りつくされて、餓死により全滅することさえある。
また、病気を移される原因にもなる。

時騒ぎ(ときさわぎ)play flight
若いみつばち(日齢3〜7日)がはじめて巣門から出て、巣箱の位置を覚えるために短時間の
飛行をすること。午後1〜3時の間に行われ、巣門あたりが騒がしくなるためこの名前が付いた。
記憶飛行と同意。

内役蜂(ないえきばち)house bee
日齢20日位までの若い働き蜂。
清掃、育児、造巣、はちみつ作りなど、巣内での仕事をする。

内検(ないけん)examination
みつばちの健康や、巣の状態を検査すること。

日令(にちれい)
みつばちの仕事は、生まれてからの日数で変わることや、寿命も短いことから、人間のよう
に「年令」ではなく「日令」という表現をする。

抜き搾り(ぬきしぼり)
流蜜末期に、たとえ貯蜜がたくさんあっても、回収するのは一部だけにして、残りはミツバチの
エサとして残しておくこと。

ノゼマ病(のぜまびょう)nosema disease
ノゼマアピスという病原体によるミツバチの病気。
感染すると、体内で病原体の胞子が増殖し、ミツバチの元気がなくなる。
終いに飛べなくなり、辺りを這い回るようになる。
早春にみられる病気であるが、気温が上昇してくると次第におさまる。

ハイブツール hive tool
三味線のバチのような形をした養蜂道具。
内検をするときに、プロポリスでくっついた巣枠や継箱を動かすときに使う。
ハイブ(ミツバチの巣)を取り扱うツール(道具)という意味。

蜂王物質(はちおうぶっしつ)queen substance
女王蜂のからだから分泌される物質で、フェロモンとよばれる。
働き蜂を統制し、巣内の安定を図る働きがある。

蜂ブラシ(はちぶらし)bee brush
巣脾にとまったミツバチを、優しく払い落とすためのブラシ。

蜂パン(はちぱん)bee bread
花粉団子のこと。
みつばちは、集めた花粉を団子にして、酵素などの栄養素を含んだ唾液で固めて巣に持ち帰り、
食料として保存する。パンになぞらえて、蜂パンとよばれる。

花冷え(はなびえ)
春の冷え込みのこと。

働蜂(はたらきばち)worker bee
一つの巣に2万〜5万匹がおり、全てメス。日齢による仕事の分業がされている。

蜂毒(はちどく)bee venom
みつばちのお尻の針から出される毒。
おなかの毒嚢(どくのう)とよばれる器官に0.02rほどためられており、アミン類やアセチル
コリンなど、痛みやかゆみを伴う成分を含む。
一方、人体にとって有効な成分(免疫力を高める、痛みの緩和、化膿の軽減など)も含まれる
ことから、出房20日以上の西洋みつばちの毒針による針治療(アピテラピー)が世界中で行わ
れている。ちなみに、日本みつばちの蜂毒は、西洋みつばちの半分から1/3しかないため、アピ
テラピーには不向きである。

8の字ダンス(はちのじだんす)dance ,wagtail
みつばちが、蜜源の場所を巣の仲間たちに伝えるためのダンス。
お尻を振りながら8の字を描くように動くため、尻振りダンスともいわれる。
ダンスは2種類あり、巣箱から100m以内の近場に蜜源がある場合は、円を描くように踊る
「円型ダンス」。それよりも遠方になると、8の字ダンスになる。

早取り(はやとり)
まだ、封蓋されていない貯蜜巣脾からはちみつを回収すること。
完熟していないシャブ蜜を回収することになる。

春減り(はるべり)
越冬群の管理の不手際などで、春にミツバチが減ってしまうこと。
原因として、老蜂が多かった、ノゼマ病、湿気、厳しい寒気などがある。

バロア varroa mite
ミツバチヘギイタダニを参照

百花蜜(ひゃっかみつ)multifloral honey
いろいろな種類の花蜜で作られたはちみつ。

覆面布(ふくめんふ)bee veil
みつばちに顔を刺されないように装着する、ネット状の覆面。

不具王(ふぐおう)
翅の支障や生殖器などに欠陥のある女王蜂。

腐蛆病(ふそびょう)foul brood
アメリカ腐蛆病、ヨーロッパ腐蛆病を参照。

プロポリス propolis
みつばちが、木の芽、樹液、樹脂(ヤニ)を集めて混ぜて作ったもの。
抗菌力があるため、巣に塗って抗菌性を高めたり、補強材としても使われる。

分割版(ぶんかつばん)follower board
蜂群の大きさに合わせて、巣箱の生活空間を調節するために使う板。
巣枠と同じ大きさで、巣箱内で巣脾のいちばん外側へ入れる。
みつばちの生活空間とそれ以外のスペースを仕切り、適温を保つために入れる。
また、ムダ巣をなるべく作らせないように入れる。

分蜂(ぶんぽう)swarm
女王蜂が、蜂群の半分と一緒に、新天地を求めて巣を出て引越しすること。

分蜂熱(ぶんぽうねつ)swarming fever
分蜂の前触れとして起こる、蜂群の雰囲気。
分蜂王台を作り始めたり、働き蜂がまったく働かなくなるという特徴がある。

分蜂王台(ぶんぽうおうだい)swarm cell
蜂群が分蜂する前に作る王台。旧女王蜂は、この王台に産卵して巣を出て行く。
この王台から新女王蜂が生まれて、蜂群が2つになる。

分離器(ぶんりき)extractor
はちみつが貯められた巣脾から、はちみつを回収するために使う遠心分離器。

変成王台(変成王台)queen cell,emergency
女王蜂が不慮の事故でいなくなった場合、働きバチが孵化して三日以内の幼虫を探し出し、
その幼虫が入っている巣房をリフォームして作る王台。
後に、この王台から新女王蜂が誕生する。

訪花の一定性(ほうかのいっていせい)
花蜜が一番豊富な種類の花ばかりに通い、流蜜がなくなるまで採蜜する、みつばちの習性。

芳香腺(ほうこうせん)sent gland
みつばちのお腹にある、匂いを出す器官。
この匂いは、各蜂群で特有であり、同じ蜂群の仲間を認識する際に役立つ。
例えば、迷子になった仲間をこの匂いで誘うなど。

蜂群(ほうぐん)colony
女王蜂一匹に、大多数の働きバチと少数のオス蜂の「みつばちファミリー」のこと。
このファミリー(巣箱一つ)を一群、二群というふうに数える。

蜂球(ほうきゅう)cluster
みつばちが、球のように一塊になること。
越冬時には、巣内で蜂球を作り、寒さをしのぐ。

蜂児(ほうじ)brood
みつばちの幼虫。

蜂児枠(ほうじわく)brood frame
主に、幼虫が育てられている巣脾。

蜂児圏(ほうじけん)brood nest
幼虫が育てられている巣脾のエリア。

補助給餌(ほじょきゅうじ)emergency feeding
貯蜜がないときに、餓死を防ぐために行なう給餌。

ホ式巣枠(ほしきすわく)
自距金具を使わず、上桟を横桟にはめ込む形で組み立てる巣枠。

ポリネーション pollination
みつばちによる植物の花粉交配のこと。

埋線器(まいせんき)spur embedder
巣礎を巣枠に固定するときに使う道具。
巣枠に張ったハリガネを、巣礎に埋め込んで固定する。

麻痺病(まひびょう)paralysis
ウィルスによるみつばちの病気。
体をぶるぶる震わせながら、行動に落ち着きがなく、最後に死んでしまう。
恐ろしい病気ではなく、放っておけば治まるため、蜂群が全滅することはない。

蜜源植物(みつげんしょくぶつ)nectar plant
はちみつの原料になる、花の蜜が採れる植物群生のこと。
レンゲ、アカシア、ミカン、リンゴ、トチ、クリ、ソバなど。

蜜腺(みつせん)nectaries
植物が花蜜を分泌する器官。蜜槽(みつそう)ともいう。

蜜標(みつひょう)nectar guide
蜜腺がある、花弁の奥の色の濃い部分。

蜜濾器(みつこしき)honey strainer
貯蜜巣脾から分離器で回収したはちみつには、巣の破片などの不純物が混ざっている。
はちみつをビン詰するときに、それらを濾すための道具。

蜜刀(みつとう)uncapping knife
はちみつが完熟すると、巣房に蜜蓋(みつぶた)がかけられる。
はちみつを回収するときに、この蜜蓋を切り離すための刃物。

蜜嚢(みつのう)honey stomach
みつばちのお腹にある、花の蜜を貯めるための器官。蜜胃(みつい)ともいう。

ミツバチヘギイタダニ(バロア)varroa mite
ミツバチに寄生する、体調1.2oで赤褐色の大きなダニ。
ミツバチの体液を吸って生きており、寄生されたミツバチは次第に元気がなくなる。
巣に蔓延すると、蜂群が崩壊する恐れがあるため侮れない。

蜜蓋(みつぶた)cappings
はちみつが完熟したら巣房にかけられるフタのこと。また、蜂児がサナギになる前にもこの
フタがかけられる。蜜蓋は、働き蜂のおなかの分泌腺から出る蜜蝋(ミツロウ)で作られる。

蜜蝋(みつろう)beewax
働き蜂のおなかの分泌腺から出るロウで、原料は花の蜜。
巣を作ったり、巣房にフタをかけるときに使う。

無王群(むおうぐん)queenless colony
女王蜂が不在の蜂群のこと。

無王騒ぎ(むおうさわぎ)
女王蜂の不在に気付いた働き蜂が、一群全体で羽を震わせて騒ぐこと。

無蓋蜂児(むがいほうじ)brood ,bald headed
まだ、幼虫のいる巣房にフタがかけられていないもの。
幼虫が孵化して6日後にフタがかけられ、その2日後にサナギになる。

ムダ巣(むだす)drawn combs
巣礎の表面以外に作られるムダな巣のこと。巣が足りないために作られる。
放っておくと分蜂熱を起こすため、空巣脾を入れて造巣させる。

無蜜期(むみつき)
蜜源植物の流蜜が無くなる期間のこと。
酷暑の夏や越冬時など。

元巣群(もとすぐん)afterswarm
分蜂群が出て行ったあとに、巣箱に残った蜂群のこと。

有王群(ゆうおうぐん)queenright colony
女王蜂がいる蜂群のこと。

有蓋蜂児(ゆうがいほうじ)capped brood
幼虫がいる巣房にフタがかけられたもの。
幼虫が孵化して6日後にフタがかけられ、その2日後にサナギになる。

雄蜂房(ゆうほうぼう)
雄蜂の幼虫を育てるための巣穴。働蜂房よりも少し大きい。

養成群(ようせいぐん)
女王蜂を人工養成するときに、幼虫を預ける蜂群。
女王蜂になる幼虫を育てるため、若い働きバチが多い強群を選ぶ。

養蜂(ようほう)apiculture
みつばちを飼い育てるための知識、科学、技術。

ヨーロッパ腐蛆病(よーろっぱふそびょう)European foul brood
最初にヨーロッパで発見されたため、この名前である。
アメリカ腐蛆病のように幼虫がどろどろになって死ぬことはないため、働き蜂が死骸を掃除し
やすく、蔓延する病気ではない。
弱群にみられる病気で、強盛群ではみられないため、常に強盛に保っていれば防げる病気で
ある。アメリカ腐蛆病のように恐ろしい病気ではない。

養蜂場(ようほうじょう)apiary、bee yard
みつばちを飼うために巣箱を置く場所。蜂場(はちば)ともいう。

溶蝋缶(ようろうかん)
蜜蝋(みつろう)を溶かすときに使う、ヤカンのような形の道具。
二重底になっており、下段に水を入れ、上段に蜜蝋を入れて火にかければ、ちょうど湯銭に
かけたようになり、蜜蝋を焦げつかせずに溶かすことができる。

ラ式巣枠(らしきすわく)
米国のラングストロスが考案した巣枠。
国際規格(上桟47.9p、横桟23.6p、下桟44.8p)の巣枠であり、自距金具がついている。

流蜜期(りゅうみつき)nectar flow
蜜源植物が開花し、一年で一番流蜜が多い期間(5月〜7月)のこと。
日本は南北に長いため、地域によってこの期間はずれる。

ローヤルゼリー royal jelly
出房後、3〜15日の若い働き蜂の咽頭腺から分泌される、乳白色で栄養価の高い物質。
ローヤルゼリーは、女王蜂の食事として一生涯与えられるため、王乳ともよばれる。