はちみつブローカー
はちみつブローカーメルマガ登録

みつばちの8の字ダンス

topページ > みつばち図書館 > みつばちの8の字ダンス
 

お花畑の場所を示すダンスです。

みつばちは、一つの花の蜜を集めだすと、近くに別の種類のお花畑があってもそちらには
行きません。これを「訪花の一定性」といいます。
例えば、クローバーの蜜を集めだすと、クローバーの花が咲き終わるまで蜜を集め続けます。
これで、ほぼ純粋に近いクローバーのはちみつができるのです。

しかし、みつばちの一集団は2〜5万匹です。
みんな一斉にクローバーに行くとは限りませんし、別のお花畑に行くミツバチもいるはずです。
それでも、次第にクローバーの蜜を集めるミツバチばかりになるのです。
一体どのようにして、クローバーの蜜ばかりを集めるように変わるのでしょう?

それでは、クローバー畑から巣に戻ってきた働きバチを観察してみましょう。
蜜を集めてきた働きバチは、巣にいる働きバチに蜜を渡したあと、おしりを振るわせ
ながらダンスを始めました。このダンスの軌道は「8の字」を描いています。
どうやらこのダンスで、仲間のミツバチにお花畑の情報を教えているようです。
ダンスのテンポは、お花畑までの距離を伝えているようで、遠くなればなるほどテンポが
緩やかになります。
例えば、巣箱からお花畑まで100mだとすると、15秒間で10回の「8の字」を描き、1q先
だと5回、3q先だと2回といった感じです。

また、このダンスは、振動でもお花畑までの距離を伝えているようです。
羽を震わせて「タラララララ・・」といった感じの振動です。
その振動を1秒間起こすことで1q先、2秒だと2q先、 3秒だと3q先という感じです。

お尻の振り方にも意味があるようです。
お花畑に、たくさん蜜があればあるほど、激しくお尻を振るのです。

お花畑の方角の示し方は、言葉では説明しにくいので下記の図を御参照ください。 8の字ダンス

クローバー畑に行った働きバチと同じように、別のお花畑に行った働きバチもダンスを踊って
仲間に知らせます。しかし、蜜が少ないお花畑から帰ってきた働きバチは、あまり踊りません
し、全くダンスをしないこともあるのです。
蜜が少ないお花畑だと、数十匹の働きバチが訪れただけで一杯になり、一匹あたりの蜜の分け
前も少なくなります。
だから巣に帰ってきても、元気の無いダンスになり、次の働きバチがそのお花畑に行かなく
なるのです。

一方、たっぷり蜜が採れるお花畑から帰ってきた働きバチは、どれもが元気なダンスでその
場所を知らせます。すると、次々に仲間の働きバチが、そのお花畑へ飛んで行く連鎖反応が
起こるのです。

厳密に言うと、ターゲットにしたクローバー以外に、別の花の蜜も少し混じることになります
が、大部分がクローバ ーの蜜であり、実質的に純粋なクローバー蜜といっても差し支えない
結果になるのです。

ちなみに、ミツバチの「8の字ダンス」を発見したのは、ドイツのカール=フォン=フリッシュ
という学者です。
カール博士は、この功績を称えられて1973年にノーベ ル生理学・医学賞を授与されました。