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春の流蜜期は強盛群で挑みましょう!

topページ > みつばち図書館 > 春の流蜜期に強盛群を間に合わせるにはどれくらい日数がかかるか?
 

春の流蜜期に蜂群をピークに

養蜂業において成功のカギを握るのは、一つには女王バチの産卵力があげられると思います。
採蜜するにせよ、越冬するにせよ強盛群でなければ話になりません。
女王の産卵力が低下すれば更新しなければなりませんし、不慮の事故で女王がいなくなる場合
もあるでしょう。例えば、交尾飛行に出て行った女王バチがクモの巣にかかったとか、ツバメ
などに食べられたなどです。
そしたら新しい女王バチが必要になりますが、女王バチは生まれてから産卵が始まるまでには
結構な時間を要します。産卵できるようになるまでに一体どれだけの時間が必要なのでしょう?

出房スケジュール

この表からわかるように、女王バチは産卵されてから出房(成虫になって外に出てくる)までに
約16日を要します。しかし出てきたら産卵が始まると思ったら大間違いです。
出房後に早くても5日、普通なら7日〜10日後までに晴れた風のない日を選び、交尾飛行に出
ます。そして、交尾に成功して巣に帰ってきて2〜5日後に産卵が始まるのです。
つまり、卵の時期から数えると、女王バチが産卵できるようになるまでに約1ヶ月はみてなけ
ればなりません。

働きバチが蜜を採りにいくまでにどれだけかかるか?

働きバチは産卵から出房するまでに21日かかります。
女王バチの方が5日も早いのは、ローヤルゼリーで育てられたため、栄養価の違いからと推測
されます。しかし、働きバチは出房すればすぐに外に飛んで行って、花の蜜を集めてくるわけ
ではありません。まずは内勤の仕事(掃除、育児、女王の世話、造巣、はちみつ作りなど)を
経て、蜜を集めに出て行くのは出房後3週間たった頃です。
従って、働きバチは産卵から蜜を採りに出るまでに6週間かかるという計算になります。

春の流蜜期に群勢をピークにするために

越冬した女王バチが元気に春を迎えて産卵を始めてくれれば安心です。
女王蜂と共に越冬した働きバチ達は、卵から孵った蜂児を世話しますが、老蜂ばかりなのでし
ばらくすると続々と死んでゆきます。
産卵21日後には若蜂が出房してきますが、死んでしまう老蜂も多いため、なかなか増えない
ように感じるところです。
しかし、女王バチは、産卵ピーク時に1日に1500〜2000個ほどの卵を産みますので、それから
毎日のように若蜂が続々と出房すると、初産卵から2か月後には群勢がピークを迎え、素晴らし
い強盛群ができているでしょう。
つまり、その土地の主要蜜源の流蜜期の2ヶ月前に産卵が始まればよいわけです。

しかし、春に女王バチが不慮の事故で死んでしまった場合には、流蜜期に間に合わなくなる場合
もあります。
その時は、残った蜂群を別の女王バチがいる蜂群に合同するか、あらかじめ育てておいた女王
バチを誘入して対処しなければなりません。
「蜂群の合同」と「女王バチの誘入」については、改めて書きたいと思います。