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分蜂を利用して群殖するときの注意点とは?

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分蜂はせいぜい2回まで

蜂群を増やす方法は、みつばち屋さんで買うか、流蜜期におこる分蜂を利用するかですが、
買うと高いので、分蜂を利用し増やしたいところです。

「そうか!分蜂を利用すれば、たくさんのみつばちファミリーを作れるし、はちみつだって
いっぱい採れるようになる。しかも、みつばちを欲しがっている人がいれば販売することも
できるじゃないか!ガンガン分蜂させよう。」と思うかもしれませんね。

でも、ちょっと待ってください。分蜂はせいぜい2回までで止めておきましょう。

分蜂は2回までの理由

みつばちが流蜜期に「よーし分蜂するぞ〜!」という雰囲気を出すことを分蜂熱といい、一度
分蜂熱を帯びると複数回連続で分蜂します。

例えが変かもしれませんが、パチンコでフィーバーして玉がジャラジャラ出てくるみたいに、
働きばちの気が収まるまで分蜂が続くといった感じです。

まず、1回目の分蜂が起こると、その一週間後に2回目の分蜂が起こり、また2〜3日すると
3回目の分蜂が起こるというふうに、回を重ねるにつれて間隔が短くなっていきます。
これは、女王蜂が王台に産卵する間隔が徐々に短くなるためで、つぎつぎに生まれてくる女王蜂
が、巣に残っている仲間の半分と巣を飛び出ていくわけです。

巣のみつばちの数は、1回目の分蜂で半分になり、2回目でまたその半分になります。
それを繰り返していけば、もともと強盛群だったみつばちファミリーが、どんどん細分化されて
しまい、最終的には、はちみつも作れない弱小群に転落してしまうのです。
よって、分蜂させるのはせいぜい2回までにしたいのです。

分蜂2回でみつばちが1/4になったとしても、流蜜期であれば、採蜜できるまで数を回復できるか
らです。

2回目の分蜂群で注意すること

二回目以降の分蜂で、仲間と一緒に巣を出て行く女王蜂と、元の巣で生まれてくる女王蜂は、
まだ交尾をしていない処女王です。

女王蜂は、交尾をして産卵するまでに一週間ほどかかります。
そして、その卵がかえって成虫になるまでが21日、さらに蜜を集めにいくまで2週間以上かかる
ため、分蜂した当初は勢いがあった蜂群も、次世代が成長するまでにかなり衰えてしまいます。

それを防ぐために女王蜂が産卵を始めたら、よその蜂群から有蓋蜂児枠を一枚ずつもってきて、
分蜂群と元巣の蜂群に入れてやることです。
女王が産卵を始める前に入れると、よそからのものなので働きばちが嫌がりますが、産卵開始後
であれば、卵と一緒に有蓋蜂児も守ろうとします。
有蓋蜂児はじきに成虫になるので、蜂群の勢いを衰えさせることなく、つなぎ役になるのです。

どうやって分蜂を止めるか?

では、連続でおこる分蜂をどうやって止めましょう?
分蜂熱を一度帯びると、なかなか収まらないため大変です。
しかし、次に生まれてくる女王蜂がいなければ分蜂ができないので、王台をすべて潰してしまえ
ばいいのです。
流蜜期が終われば自然に分蜂熱は収まるため、それまで新しい王台がつくられたらすべて潰すよ
うに注意しなければなりません。

また、1回目で分蜂した蜂群が再び分蜂することを「孫分蜂」といいますが、孫でも流蜜期で
あれば採蜜できるまでに回復します。しかし、「孫」以降も分蜂させたくなければ、同じように
流蜜期が終わるまで王台を潰すことです。

誤って3回目の分蜂を出してしまったら

注意してすべての王台を潰しているつもりでも、見逃してしまう場合もあるでしょう。
そこから新女王が誕生すると、3回目の分蜂も起こりえます。
3回目以降の分蜂の特徴として、分蜂群に女王が複数いる場合があります。
これは、旧女王蜂が、複数の王台へ産卵する間隔がだんだん短くなることに関係し、ほぼ同時に
生まれてきた複数の女王が一緒に分蜂群と出てくるためです。

それで、女王蜂を回収して巣箱に入れても、木の枝に蜂球をつくって女王蜂のもとに来ないこと
があります。それは、蜂球のなかに別の女王蜂がいるためです。
また、蜂球の中に複数の女王蜂がいると知らずに、いっしょに巣箱に入れてしまうとケンカに
なり、どちらかが死んでしまう悲劇がおこります。

いずれにしても、3回目以降の分蜂群はとても弱小で、たとえ流蜜期であっても採蜜群として使
い物にならないため、女王蜂を一匹だけ残して元の蜂群と合同するしかありません。