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大流蜜期にむけて強盛群を作りましょう!

topページ > みつばち図書館 > 蜂群の健勢と油断できない分蜂熱
 

注意しなければならない分蜂熱とは?

4月上旬に黄色い菜の花が一面に咲いている光景は、とても美しいですよね。
しかし、春とはいっても朝はまだ寒く、ミツバチ達も蜂球を作って温め合っています。
女王蜂の産卵は3月上旬頃から始まっていているので、徐々に若い働きバチが誕生しています
が、それを上回る数で老蜂が死んでいくため、ミツバチの数は増えているようには見えません。
でも、心配しないでください。この時期の蜂群のボリュームは、一年中で一番小さくなるのが
通例です。(1万〜1万4千匹位)

そして、これから徐々に気温が上がり、花が咲き乱れる本格的な春を迎えると、大流蜜期へ
と入っていきます。この大流蜜期に蜂群をピークに持っていき、採蜜活動をすることが養蜂業
の一つの目標です。
このように、ミツバチの数を増やして強盛群を作ることを「健勢」といいます。
採蜜活動は、強盛群になればなるほど有利になるため健勢をするのですが、健勢をするといっ
ても一体どんなことをすればいいのでしょう?
それは給餌をすることです。

給餌の方法について詳しくはコチラ→ 給餌の方法と注意点

早春に奨励給餌として糖蜜を与える場合、少し濃いめにしたもの(水:砂糖=1:1.5位)を温
めて与えます。特にこの時期はまだ気温も低く、夜間に給餌をするため、温かい糖蜜のほうが
ミツバチは喜びます。
また、ミツバチが蜂球を離れて糖蜜を吸いに来たとき、給餌器の底が深いと底まで下りてまた
上がるのに負担がかかる上に、寒さで凍えるといけないので、なるべく底の浅い給餌器で与える
といいでしょう。

このように給餌をして健勢を図ると、3月下旬には、女王蜂の産卵はピークを迎えて一日に2千個
近く産卵します。産卵から出房(巣穴から成虫が出てくる)まで21日かかるので、4月中旬にな
ると、毎日のように2千匹近くのミツバチが誕生してきます。
それでこの時期は、数日見ないうちに強盛群(4万〜6万匹)に変貌を遂げてしまうのです。
大流蜜期を前にして健勢に成功し、強盛群を手に入れるとワクワクする気持ちでいっぱいになる
でしょう。
しかし、浮かれてはなりません。
それは、この時期の蜂群管理で最も注意しなければならない「分蜂熱」があるからです。
分蜂とは、女王蜂が、その巣のミツバチの半分を連れて出て行く巣別れのことで、一つの蜂群が
二つになるという蜂群の増殖方法です。
そして、これから分蜂を起こそうかという前触れの雰囲気のことを分蜂熱というのです。

しかし、なぜ、蜂群が分蜂熱を帯びるとマズいのか?
蜂群が増えていいじゃないか、と思うでしょう。
しかし、分蜂熱を帯びたミツバチは働かなくなるのです。
だるそうに巣門の周辺でたむろったり、何もしていない働きバチも見かけます。
こうなると採蜜どころではなくなってしまうのです。そして実際に分蜂が起こると、これまで
強盛群を作るために行ってきた努力がすべて水の泡になってしまうのです。
なぜ、分蜂がダメなのかというと、採蜜には強盛群でのぞむのが有利なため、細分化された弱小
群では採蜜ができないのです。

蜂群が細分化してしまう過程はこうです。
まず、蜂群が分蜂熱を帯びると、働き蜂がいくつもの王台を作りだします。
王台というのは、女王蜂になるための幼虫を育てる特別な部屋で、落花生のような形をした部屋
で、女王蜂はそこに産卵します。分蜂すると、その巣から女王蜂がいなくなってしまうので、保
険の意味でも複数の卵を産むわけです。
その王台から次々と新女王蜂が誕生するのですが、その蜂群が分蜂熱を帯びている限り、第二分
蜂、第三分蜂と続いていくわけです。
そうなると強盛群だった蜂群が、半分になり、また半分になり・・と、ついには採蜜不可能と
いう弱小群になってしまうのです。
蜂群を増やす目的で、わざと分蜂させるのであればいいのですが、採蜜が目的であれば、分蜂熱
を起こさせないように細心の注意で管理しなければならないのです。

続いてこちらも読んで下さい→ 分蜂熱が起こるキッカケと防止法