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巣箱の移動って、結構めんどくさいんです

topページ > みつばち図書館 > みつばちの巣箱を移動するにはどうすればいい?
 

ミツバチは、記憶力がいいんです

養蜂をする上で頭を悩ませることの一つに、巣箱をどこに設置しようか・・というのがあると
思います。なぜなら、原則として一度設置した巣箱は移動させない方がいいからです。
ミツバチは、恐ろしいくらい正確に自分の巣箱の位置を覚えます。
よって、何かしらの都合で巣箱を移動させなければならない事態になった時、ミツバチが寝静
まった夜の内に移動させてしまえばいいや・・という考えでは大変なことになります。
朝になって外に飛んでいったミツバチは、巣箱が置いてあった元の場所を記憶しているため、
そちらに帰って行くのです。

詳しくはコチラ→ 不思議なみつばちの帰巣本能

しかし、そこに巣箱はありません。「あれっ!? 私たちの家がないよ?」ということで大混乱を
起こしてしまいます。
それに気付いて後から巣箱を元の場所に戻しても、今度は新しい巣箱の場所を覚えたミツバチ
がそちらに帰って行って「あれっ!? 私たちの家がないよ?」ということになり、一つの蜂群が
二つに分かれて混乱するという珍現象が起きてしまうのです。
これは養蜂場の同じ敷地の中で、巣箱をほんの数メートル移動させた場合も同じです。
それ位ミツバチは、自分の巣箱の位置を正確に記憶するのです。
移動はミツバチにとってかなりのストレスになり、採蜜結果にも大きく影響してくるのです。

どうしても巣箱を移動させなければならない場合は?

もし、巣箱を移動させるのがほんの数メートルでも注意が必要です。
春から秋に近距離を移動させる場合、移動させるのは二日ごとに10p位ずらす程度にして、
目的の場所へは十数日〜と時間をかけて移動させなければなりません。
これが越冬期間中であれば、ミツバチ達は巣箱にずっと閉じこもり、春になって外に飛び出る
ころになれば、巣箱の位置の記憶が曖昧になっているので簡単に移動できます。

もし、移動させる距離が100m以上の長距離の場合は、いったん蜂群を巣箱ごと2q以上離れた
場所に移動させます。
なぜ2q以上離れた場所なのかというと、ミツバチの活動範囲は巣箱を中心として半径2q位
なので、それだけ離せば元の場所に戻ることもできず、新しい巣箱の場所を記憶するからです。
そこで3週間ほど活動させれば、元の巣箱の場所は忘れてしまいますので、時期を見計らって
目的の場所に再度移動させるのです。

ミツバチは、新しい巣箱の位置を覚えるのは意外と早いのですが、いったん覚えた場所はなか
なか忘れないのです。小さな体で小さな脳みそですが、結構頭が良いんですね。(笑)